経理職をめぐる偶然の転職ストーリー

Businesswoman reading papers on a train with cityscape visible through windows
A woman in business attire reviews documents on a Tokyo train during sunset.

何の気なしに求人サイトを開いた春

税理士事務所の繁忙期が終わった4月の初めごろ。

何の気なしに、登録していた派遣会社の求人情報を眺めていました。

特に必死に転職先を探していたわけではありません。
おすすめに表示された求人の中に、自分の希望に合うものがあれば応募してみようかな、そのくらいの気持ちでした。

年齢のこともあり、
「どうせ無理だろう」
という思いもありました。

希望していたのは経理の仕事。
できれば安定していて、長く働ける職場。

53歳にもなれば、もう何度も転職するものではないだろう。
次があるなら、最後の職場になるような会社がいい。

そんなことを考えていました。

軽い気持ちの応募が、現実になっていく

当時の私は正社員として働いていて、仕事そのものはそれなりに楽しくやっていました。

ただ、一方で所長は仕事への意欲を失っているように見えましたし、職場には納得できないえこひいきもありました。

「ここで頑張り続けることに、どれだけ意味があるのだろう」

そんな気持ちが、少しずつ心の中に積もっていたのだと思います。

そんな時に目に入ったのが、

9時から17時勤務の経理職。

しかも、自宅から通いやすく、駅からも近い。

「とりあえず応募だけしてみよう。」

そんな軽い気持ちで応募しました。

すると予想もしなかったことに、数日後、派遣会社から
「○日までに履歴書をご提出ください」
という連絡がありました。

正直、面倒だなと思いました。

半分くらいは、このままやめてしまおうかとも考えました。

それでも履歴書を提出すると、今度はすぐに面接の日程が決まりました。

面接前日になっても、まだ本気ではなかった

会社帰りにブラウスを買い、何年も使っていなかった面接用のバッグを引っ張り出しました。

スーツも久しぶりに着てみると、何とか入ったので少し安心しました。

とはいえ、数年ぶりの面接です。

前日になっても、
「やっぱり断ろうかな」
と思っていました。

ただ、ここまで段取りをしてくれた派遣会社に迷惑をかけるのも申し訳ない。

そう思って、とりあえず行くことにしました。

ところが、面接を受けると決めたにもかかわらず、前日に準備らしい準備は何もしませんでした。

場所の確認もしなければ、派遣会社から送られてきた「面接の心得」の資料も読んでいません。

結局、当日の朝になって慌てて資料を印刷し、電車の中で読みながら面接会場へ向かうことになりました。

そして、この時の私は、まさかこの面接が、自分の働き方や考え方を大きく変えるきっかけになるとは、まだ全く思っていませんでした。