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一人で向かった面接
紹介予定派遣だからなのか、人手不足だったからなのか、それとも、いい年をしたおばさんに付き添いは不要と思われたのかはわかりませんが、当日は派遣会社の担当者と一緒ではなく、私一人で普通の面接を受けるような感じで会社へ向かいました。
面接の途中で気持ちが変わった
そうこうしているうちに会議室で面接が始まりました。
もう最初から終わっているつもりだったので、気負うものは何もありません。
聞かれるままに、自分のことをぺらぺら話しました。
そして、面接の途中から、自分でもうまく説明できないのですが、
「この会社に入りたい。」
という気持ちが突然湧き上がってきました。
私が本当に望んでいた働き方
最初に正直に言うと、派遣会社にも相手の会社にも失礼なのですが、この面接は「面倒くさい」の一言でした。
実は、この4年間にも何度か派遣会社から「履歴書を送ってください」と声を掛けていただいたことがあります。
履歴書を送ったけれど書類選考で終わったこともありました。
仕事が忙しくて準備ができなかったこともありました。
会社名がわかって調べてみた結果、
「やっぱり応募するのはやめよう」
と、お断りしたことも一度ではありません。
今回も、決して乗り気ではありませんでした。
一番大きな理由は、自分には似つかわしくないと思っていたからです。
私が最後の転職先として思い描いていたのは、近所にある小さな会社で、一人で経理を任され、何でも自分でやるような職場でした。
もしかしたら私は、大勢の「ちゃんとした人たち」と一緒に働くことに向いていないのではないか。
そんなことまで考えていました。
税理士事務所は、一癖も二癖もある人が多く、その空気が自分には気楽だった部分もあります。
それなのに、なぜ面接の途中で「この会社に入りたい」と思ったのでしょうか。

私の話を、ちゃんと聞いてくれた
今振り返ると、私の話をとても好意的に聞いてくれたからだと思います。
私は、単純作業の時間を減らしたくて、Excelマクロを組んで仕事を改善したりしていました。
税理士事務所でも「すごいね」と言われることはありました。
でも、それ以上に興味を持たれることは、あまりありませんでした。
ところが、この会社では違いました。
「どうやって作ったのですか。」
「どういう考えでそうしたのですか。」
そんなふうに、仕事への考え方そのものに興味を持って話を聞いてくれました。
だからこそ、私は逆に正直に話そうと思いました。
私は、Excelマクロを使って仕事を改善するのは好きです。
でも、得意というほどのものではありません。
過信されたまま入社して、お互いに不幸になるのは嫌だったので、そのことははっきり伝えました。
「この会社で働きたい」と思った瞬間
また、会社が約3年前に移転したと聞いて、
「なぜ今の場所を選ばれたのですか。」
と質問しました。
すると、とても丁寧に理由を説明してくださいました。
その考え方に私は強く共感しました。
詳しい内容はここでは書きませんが、その話を聞けただけでも、
「こういう会社もあるんだ。」
と感じることができました。
面接に来てよかった。
そう思えた瞬間でした。
そして、経理の仕事といっても、自分にとっては未知の分野に関わる仕事になることも知りました。
私は、新しいことに挑戦するのが好きです。
だから、その仕事にも興味を持ちました。
もちろん、その分野は未経験でしたから、
「やってみたい気持ちはありますが、経験はありません。」
ということも正直に伝えました。
今思えば、面接の途中で私の気持ちが変わった理由は、とても単純だったのかもしれません。
自分を実際以上によく見せようとしなくても、一人の人間として話を聞いてくれた。
そして、私もまた、この会社のことをもっと知りたいと思った。
たぶん、その瞬間から、私はこの会社で働いてみたいと思い始めていたのだと思います。
現実に戻った私は
面接が終わって現実に戻ると、
「やっぱり無理だろうな。」
という気持ちになりました。
会社は立派過ぎるし、自分には似つかわしくない。
だから、
「面接の練習ができてよかった。」
そう考えることにしました。
そして翌日。
私は何食わぬ顔をして、いつものように税理士事務所へ出勤しました。
あの時は、まさか本当にこの会社で働くことになるとは、まだ思ってもいませんでした。




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